初期は画面が白くてあっさりしてます。作者さんの引き出しはそこまで深くないというか、どっかで見たことあるな、という展開やきれいにまとまりすぎてる感はあるんですが、とにかく設定とセリフの妙でめちゃくちゃ魅せられます。明治維新を生き残った坂本龍馬
や新撰組というモチーフなんて相当ずるい。それを見事に料理して新しいキャラ付けも出来ていてとんでもなく魅力的な世界観です。そこに作者さん独特のセリフ回し。そんなボケもツッコミも聞いたことないわwwみたいのが溢れかえってて、初期の頃はよく涙流して笑い転げてました。
そして画面の白さやまだ深く語られない過去のあるキャラ設定が、物語に想像の余白を与え、読者が勝手にとんでもない期待値を持っていた気がします。
20巻越えたくらいから週刊連載の弊害か、作者さん大丈夫かな、という話が出てきやすくなります。
問題は終盤。終わる終わる詐欺なんて言われてましたが、銀魂ってそういう話だった?と言うくらい後から後から色々な設定やら人物、宇宙人の皆さんが出て来てしまいます。
これは絶対初期の時点で練ってなかったよね、という展開が進んで行くので、ついて行くのが難しい人が多いのは当たり前だと思います。後出しの連続なので話もいちいち説明が多くなって読みづらい。
ただ何となくですが、始まりを敗者として設定してしまった銀さんを、何とかして救ってあげたかったのかな?とか、天人に支配された世界でも、ある意味それを受け入れて自分らしく生きていく、という銀さん像を、なんか壊そうとしているように感じて、作者さんの中にも色々葛藤があったのかな、と勝手に想像してしまいました。飄々としてて粋な銀さんも好きだったんですけどね。初期の銀さんは世界救うとか言わなさそうだな、と勝手に思いました。話が面白くないのは単純に力量だと思いますが。
とにもかくにも無事最後まで見届けられて良かった作品です。
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