読後、フィクションとして自分の中で終えることができず
気がつくと、色々なシーンが勝手に脳内で溢れています。
完全にページを閉じていない様な状態で
読み終えたのに、読み終えた気がしません。
戦中と高度経済成長の間の生き様を描いた作
品です。
参助先生も仰っていましたが、よくぞこの時代を漫画にして下さったと思います。
急激な変化の中で、人々はどんな気持ちで戦争に区切りを付け、どうやって変わっていったのか。
そんなに簡単に切り替えなんて出来ないはず。
参助先生がこの漫画を描かれた事が、必然としか思えません。
この時代に明るく、この時代の人々を描き出せる画力。
押し付けが無く、ただリアリティとユーモアを持って淡々と描ける人柄。
そして根本として大事な、漫画としてめちゃくちゃ面白いという事。
参助先生のインタビューより
『「人の心は変わる」ということです。自分だって、10代のころと、40代の現在では、考えていることが違う。その状況によって言うことが変わってくるのは、現代の私たちだけでなく、昔の人も同様だということを、共通認識として持っておいたほうがいいんじゃないでしょうか。兵隊に行ったおじいちゃんたちの話を聞くにしても、戦後70年、その間に否定されたり肯定されたり、そういったことを何度も繰り返してきた肉体と心なんです。彼らの50年代はどうだったのか、60年代はどうだったのか。その時その時で、戦争を振り返ったときの思いが違うという点に、もう少し想像を膨らませたい。』
参助先生の個展も開催されます。
行ってきます。
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