JIN―仁― 1

ブラックジャックが唯一読んだことのある医療漫画(長編)だった。名作過ぎて、他を読む気持ちになれなかった。新型肺炎の感染拡大の中での懐かしのドラマ再放送続々、視聴したら無性に原作を読みたくなった。
TVドラマは長く医者物が受けていてそれは漫画原作が多いと知っていたが、青少年対象だと敬遠してしまう。私は典型的な少女漫画が好きだから、男性向けの線やコマ割、セリフ回し、趣味に合わないお色気シーンなど、苦手なものてんこ盛りだと、完読まで苦行となることも、多い。
「ドクターX」のおかげなのか、この「Jin-仁」の医学専門用語は大丈夫になってた。吉原の題材のところで、らしい描写が出て、話の脱線感もあるが、今4巻目で、まだまだ興味は途切れていない。
この作品、私は最後まで読むつもりだし、凄く面白いので、まだ半分以上を残しているのに、良さを人に伝えたくなったのだ。

TVドラマ化当初制作時から知ってはいた。最近、日頃読んでるハーレクインがヒロインの相手は医者多いというのとは全然別に、いいお医者様に難手術で治してもらった話を読んで背中を押された。某新聞で医療漫画ランキングがあり、ドラマ再放送あり、1巻無料あり、一気購入に踏み切った。

虚実振り混ぜ絶妙で臨場感大。絵が細かくて江戸時代の庶民、武家、医療現場描写に手抜きを感じさせなくて圧倒される。方言鮮やかで、まるで民俗資料のよう。
そのなかで、謎あり、恋愛感情あり。サスペンス色まじることもあれば、時代性要素でタイムスリップ感どっぷりで主人公の一挙手一投足に居合わせたよう。
娯楽作品として巨大な存在感だ。

巻を進めるのが本当に楽しい漫画作品。動く映像では出せない、漫画ならではの、断片的な切り取りも、画力の素晴らしさを丹念に眺めて、感動してる。見開き2頁で圧倒するダイナミックさが随所にあり、横開きでないと堪能出来ない(紙面掲載初出作品は、電子化されると縦読みでは元来の魅力を殺してしまう)。

「リウーを待ちながら」読もうかな。
(レビュー消された。衝撃ー5/31記時点ー遡及修正復活)

完読後感想。作中の表現「時代の臨終」、正にその通りだと思った。なんと壮絶な臨終に立ち会ったのだろう。皆自分の信義、信条、忠義心、信念をもって生き、一方だけが悪い訳でない歴史の渦中にあって、南方仁は目の前の患者をひたすら全力で救う。絵も話も良かった。友情が史実に抗うのがいい。

リアルタイムでも、コロナ禍で再放送されたドラマでご存知の方も多いのではないでしょうか。医療系のものは専門用語で難しいと敬遠されがちな事もありますが、比較的わかりやすく面白いと思います。ドラマでは脚色された分、恋愛色も強くある気がしますが、それでもやっぱり素晴らしい仕上がりです。感情移入し過ぎて号泣です。医療器具も抗生物質も何もない江戸時代。ゼロから何かを作り上げ、懸命に患者の命を救う事に情熱を注ぐ仁先生に感動を覚えます。先端医療の中で治療を受けられる現代人は幸せだと、しみじみ思います。しかしながら、激務に追われたり、終始パソコンとにらめっこしながらデータ重視で、患者がおいてけぼりになる事も悲しいかな事実です。いつの時代も仁先生のように、患者の心に寄り添う医療であって欲しいと願います。医療だけでなく、幕末がお好きな方も楽しめるかと思います。

これは面白い！外科医が急患の脳を手術中、脳の中に胎児のように見える腫瘍が見つかる。その胎児を盗み去ろうとする患者を追って、階段を転げおちれば、そこは幕末の江戸でした！現代の医療とは程遠い、蘭学が入ったばかりの江戸で、公衆衛生と医療水準の底上げに尽力する彼に惹かれ、集まった、多くの幕末の要人たちとの出会い。そこから動き出す運命やいかに。

あー面白い！情熱のある医師ってなんてすごいんだろう。無菌意識もない、抗生物質も手術道具もないなか、あるものから最大限に最良の医療を引き出すジンに、あなたも惚れること間違いなし。

ドラマ再放送を見ていて、原作を再度読みたくなり購入しました。ドラマの結末と原作はかなり違うのですが、個人的にはドラマの結末の方が好きです。
しかし原作は史実をしっかり採り入れ歴史マンガとしても読むことができ、ワクワクしながら読みました。私は医療従事者なのですが、現場の困惑、悩み、人間関係などはどこでも同じ、それが醍醐味なのだとわかりました。
また、いつか読み直したいと思える漫画です。