さよなら恋人、またきて友だち

苦手かもと思って敬遠してるとすっごく勿体無いシリーズです。
オメガバースプロジェクトの中で、個人的にはベスト5に入る作品シリーズです。
今作も面白いのですが、この後さらに化けます。
「さよなら恋人、またきて友だち」→「〜ロストチャイルド」→「〜宮内ユキについて」の順で、ただ今(2021/12現在)ユキ編の4巻第1話まで配信中です。。

今作はシリーズ一番初めの巻です。
7人のαの中にフェロモンを日常的に過剰分泌するΩを一人投げ込んだらどう話が転がるのか？という実験的な設定が既に期待値爆上げです。。

読みどころは、7人のαの性格や立場の違いから繰り広げられる言動の違い、過ちと正義。
それ故に山場がすごく盛り上がり、読み応えタップリとなっています。
Ωが尊重される地方での出来事で、世界は子どもたち(学校内)に限定されています。
なのでΩくんと相手のαくん、他のαとβ全ての悩みが個人的に完結されていて、テーマがブレていないのが良いです。。

子どもたちそれぞれのはかりごとや思惑、
本能と理性の拮抗、
荒削りだがヒリヒリと伝わる臨場感。
本当に是非とも読んでいただきたい作品です。。

本編がドシリアスなので、巻末の小咄風短編もコミカルでジーンとしてすごく良かったです。
βの先生目線が読者の自分と重なって感動でした。。

えっちシーンは少なめで、らぶらぶ甘々を期待しちゃイケません。
修正は光り輝くライトセーバーでした。。。。

ごめんなさいちょっとネタバレ→→→
※なぜわざわざαのクラスに編入したのか？は、カナエが決死の覚悟でオウギと番うためです。
オウギと番うか、死ぬかの二択しかないからです。

レーベルクーポン実施中。さよなら恋人〜1冊→〜ロストチャイルド1冊→宮内ユキについて3冊 この順番です。まだ続いてます。単話でユキ〜の3巻の続きが読めます。
レーベルクーポン対象作品ざっとみて、もうほとんどほしいの購入積読になってるなーと思ってたんですけど、ちる○るさんの属性判断で「黄昏の腐女子」と診断されて勧められたのがこの作品シリーズ。クーポン対象だったのでいそいそと買いました。読み終わってびっくり、うわー、私今までこの作品何で知らなかったんだろう。最初から地雷満載、人によっては大爆発案件だからか、レビュー評価高くないのですが、それがもったいないくらい読み応えある作品です。
本能が心に勝ってしまうオメガバースの世界、登場人物全員に対して容赦ないので、無理矢理嫌な方にはオススメでません。でも、作者さんが無理矢理を描きたかったのではなく、オメガバース世界の中で聖人ではいられない、主人公でさえ清濁併せ持った人間、性に抗えずとも懸命に生きていこうとする姿を真摯に描きたかったのだと分かります。闇ではなくて「黄昏の」カテゴリに入るのがわかるくらい、読後感悪くなかったりします。最終的には、愛は勝つ、でいいのかな。たぶん。(まだ完結してないけど)
この「さよなら恋人〜」は、作者さんの初単行本だけあって、サスペンス調の多重なストーリーの流れが分かりにくかったりしますが、ロストチャイルド以降はかなり読みやすくなってます。できればロストチャイルド以降もネタバレなしで読むと面白いですよ。私は全くあらすじを読んでいなかったので、2巻以降の展開に驚きました。

ただのオメガバース、軽い読み物だと思って読んだ人は内容の濃さに驚愕する事と思います！オメガバースものは設定の面白さを活かせてない話が多く、こいつ本当にαか？と思う様なただの金持ち俺様キャラがよく出てきて失望する事が多いのですが、オウギは違います。こいつはαの中のαでは…？と読者に思わせるだけのエピソードが有り、彼の尊大さにはゾクッと恐怖すら感じます。正にオメガバース。正に「α」を描いてくれている！そんなお話でとても面白かったです。1人のΩがやって来た事で秩序が崩壊していく様子はαとΩの本質を表していて、浮き彫りになるαの熾烈な競争社会にβたる我々はドキドキしながらページを捲る事間違いなし！大満足な一冊でした！なお、前述の通りとても濃い内容となってますので、ただのエロや運命の甘々な話をご所望の方はこの作品の良さを理解出来ないかもしれません。無理やり行為もありますのでご注意ください。自分は求めていたオメガバースをやっと読めたと嬉しく思いました。