強面の某大生が愛しい友人を守るため奮闘するラブコメのお話。
とにかく最高、その一言に尽きるくらいカッコいいし、面白いです。いわゆる自衛官を育てる防大を舞台にしたお話なので、真面目な青春ものかと思いきや、榛名の行動はストーカーに近い、推しの
幸せに自分の全てを捧げる最強の石橋ラブ男だったということ。そんな石橋を守ることを、石橋防衛隊と名付けてしまうウノハナ先生のセンスにやられました。
榛名の行動や考え方は全て石橋を守る基準なのが全編を通して貫かれており、自衛官のストイックさが榛名の真面目さと上手くマッチしています。それと同時に描かれている榛名の純朴さは、石橋のためなら自分の気持ちを押し殺すことも当然だし、振り向いてもらおうとは微塵も思ってない、まさに究極の献身愛。だから、両思いになるという想定外の出来事にたじろぐ榛名は顔面含め崩壊してしまうし、3秒で撃沈してしまう。そんな表現も分かりやすくて最高に面白いです。やっていることはある意味推し活に全精力を注ぐ若者のようなのに、頭の硬さや恋愛に対してウブなところがアンバランスで、またそれも魅力であり、面白さでもあると思いました。両思いになってからは、石橋の方が積極的なのも、榛名にとっても読者にとっても嬉しい誤算でした。
ところどころに出てくる某大生らしいマニアックな表現はこの作品の笑いどころ。合コンの時に女性からのアプローチを敵からの侵略のように捉える言い回しや、描き下ろしのえちシーンでの二人の会話には大爆笑しました。
そして、そんな全てのカッコ良さと面白さを端的に表しているのが本の表紙です。書影のカッコ良さは格別だし、タイトルのセンスは抜群。そこに榛名の最大ミッション、「(お前は)俺が守るぜ」の文字。この全てに脱帽しました。エロはほぼなしですが、最強のラブコメだと思います。
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